アンドロギュノス

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「プラトンの『饗宴』に出てくるアリストパネスの話によれば、
大昔の神話世界には三種類の人間がいた」.............。

「昔の世界は男と女ではなく、男男と男女と女女によって成立していた。
つまり今の二人ぶんの素材でひとりの人間ができていたんだ。
それでみんな満足して、こともなく暮らしていた。
ところが神様(ゼウス)が刃物を使って全員を半分に割ってしまった。
きれいにまっぷたつに。
その結果、世の中は男と女だけになり、人々はあるべき残りの半身をもとめて、
右往左往しながら人生を送るのようになった」

「どうして神様はそんなことをしたんですか?」
...............................................。

「原罪」と僕は言う。

「そう。原罪」と大島さんは言う。

「...................とにかく僕が言いたいのは、人間がひとりで生きていくのは
なかなか大変だということだよ」

以上『海辺のカフカ』(上)/村上春樹著/新潮社刊 p65~66より抜粋
参考:プラトン『饗宴』岩波文庫(エロス-アンドロギュノスについて)

アンドロギュノス:
ギリシャ語で男性を意味する「アンドロ」と、女性を意味する「ギュノス」からつくられた言葉であることからわかるように、ふたつの性をもつ「両性具有」のこと。古代神話や錬金術の図像に見られるように、男と女の性がひとつの体に存在することを意味しているが、それは人間が二つの性に分かれる以前の完全体であることを表わすためであった。

こんにちは。
今日は前回記事の延長線上にある、本当の自分との一体化、についてお話しします。

冒頭に挙げたように、プラトンはこの神話をモチーフとして真実の愛・恋を表現しようとしました。
神話の内容や、アンドロギュノスという言葉からも、基本的には男女間のソレということです。
昔は、当然この内容の通りに男女の愛について色々と考えたりもしました。

時は流れ、現在の私がこの話に触れるとき、どこかに行ってしまった自分自身のことを想起します。
いつ失ってしまったのかは分かりませんが、その時以来私は、“右往左往しながら人生を送ってきてしまった”ようです。
もう少し別な言い方をすると、乖離してしまった、或いは埋没させてしまった、ということです。

では、本当の自分、自分の中の本質的なものとは何なのだ?と問われても、このトピックを振っておきながら無責任ではありますが、ここで明確な定義をお答えすることはできません。
定義とて、それは百人百様の在り様があると思うからです。

強いて言うならば、“自分が思い通りに生きることができるように適切なアドバイスをしてくれる、よきメンター或いは師”と言うことができるかもしれません。潜在意識などといってもいいでしょうか…。
上手く転がっていた人生が、ある時から何だかシックリいかなくなった…、或いは奈落の底とまではいかなくとも不遇が続いている…、と感じている方は、自らのメンターとの繋がりが断絶している可能性があると思うのです。
メンターと断絶すると、集中力がない、何をやっても長続きしない、やる気でない、うっかりや物忘れが多くなった、更に悪化すると体調にも影響がでたり等、日常に於いても芳しくない状態が慢性化してしまうように思います。
自らの本質と繋がっていない証拠として、顕著に現れるのが、
『自分でも痛いほどわかっているのに、何故かそれとは逆の行動をしてしまう』天邪鬼的行動があります。恋愛関係上の些細なもつれが、本意とは逆の行動を誘発させて更に関係をこじらせてしまう、などは典型的な事例だと思うのです。その時に相手に対しても、自分に対しても素直になれる人は、優秀な人です。これは性格などではなく、恐らくは能力の範疇に入る問題だと思います(ですから、練習すれば上達するレベルの話です)。
メンター・師は最善策を提示しているにも関わらす、あなたの暴走がそのアドバイスなど気にも留めないのですね。

メンター・師は、自分がなすべきこと(使命)、自分が楽しいこと、自分らしいこと、それをどうやったら具現化できるか等、全て知っています。何故ならば、なんたってメンターなんですから。並大抵の人ではないのです。(そう思うと、心強くも感じませんか?)

それでは何故、そのメンターさんは自分の中から失踪してしまったのでしょうか?
実は失踪してしまったワケではなく、力を貸してくれなくなってしまったんですね。
お心当たりがある方もいらっしゃるかもしれませんが、
それは、不遇が続くと自分攻めが始まる…、
それは、今の境遇に対して、生まれ育った環境や境遇に原因を求めがちになる…、
それは、親に対してのわだかまりがあるから…、
その他、様々な自分勝手な思い・判断で行動してきた結果、メンターの存在を自らが不要なもとしてしまった、ということではないでしょうか。

メンターさんに機能してもらうには、問いかけること、話しかけること、対話することが必要だと思っています。
宇宙とは自らの中に存在しているもの、と前回の記事で書きました。
その宇宙の中に自らの可能性を伸ばしてくれる自らの本質的なものが必ずあるはずだと思うのです。
その部分を常に意識し、繋がっていることがこれからの人生を充実させられる鍵となるんでしょうね…。

次回は、そのメンターさんと再度お近づきになるための、簡単ですが絶大な効果がある呪文(笑)をご紹介したします。

hih



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